皆様こんにちは(^^♪
現在、上映中の『沈黙‐サイレンス‐』という映画をご存知でしょうか。
遠藤周作著の「沈黙」を映像化した作品ですが、
はじめて、沈黙が映画化されたと聞いたときは
「え!?渋い作品を映画化するなぁ・・・観る人はいるんだろうか」と
疑問に思いました。
と言いますのも、遠藤周作といえば
学生のときにテストにでてくるような人物で、
名前だけ知っていても、作品を読んだことがある人は
あまりいないと思います。
が、たまたまわたしはこの作品を読んだことがあります。
わたしは、地元が九州の大分県なのですが、
大分の豊後地方に
ペトロ岐部という少し有名な偉人がいます。
その偉人がどんな人かと言いますと、
ざっくりこんな感じの人です。
↓↓↓
1600年ごろのキリスト教信者が迫害されていた時代の人で
いわゆる隠れキリシタンです。
ペトロ岐部は、江戸幕府から棄教を迫られても改宗せず、
キリシタン追放令でマカオに追放されました。
マカオに追放されても信念を曲げないペトロ岐部は
かねてからの夢であった司祭(神父)になるべく、
なんとマカオからマラッカ、ゴアへと船で渡り、
そこから一人、陸路でインド、ペルシャ、ヨーロッパ、バグダードを経て、
日本人としてはじめてエルサレム入りを果たしたのです。
(今でも危険な地域がたくさんあるのに
当時だれも歩きでいったことが無い言葉も通じない、
危険な地域に行くなんて、、、
お金とかどうしていたんでしょう、、、)
多分その時代に陸路でエルサレムまで行った人など
居なかったのではないでしょうか?しかも一人陸路で・・・
更にそこからローマに向かい、でイエズス会士による審査を受け、
なんと!みごと司祭になったのです。当時32歳( ゚Д゚)!!
すごいですよね!
まさに不屈の精神、何食べたらそんな人間になるんでしょうか?(^^)
しかし、司祭になったからといって満足しないのが、
ペトロ岐部!!
日本にて宣教活動をしたいという思いから
まさにキリスト教弾圧真っ只中の危険な日本に
殉教覚悟で帰国するのです。
帰国した岐部は激しい迫害と摘発を逃れながら、
長崎から東北へ向かいつつ、信徒たちを励ましましたが、
1639年に仙台にあるキリシタンの家にかくまわれていたところを密告、逮捕され、
江戸に送られます。
その後、岐部は激しい拷問を受けても棄教せず、
最後は、浅草待乳山聖天近くの明地で穴吊りにされ、
そのさなかにも隣で吊られていた信徒を励ましていたため、穴から引き出され
1639年に腹を火で炙られ殺されたそうです。52歳没
このペトロ岐部の生涯を
「銃と十字架」という小説にしているのが、
遠藤周作です。
特に宗教に興味がある訳ではないのですが、
すごい人がいるものだと思い、関連した書籍で
「沈黙」を読みました。
この「沈黙」と「銃と十字架」は時代背景や登場人物が
かぶっており多少クロスオーバーしています。
そんな経緯もあり「沈黙」が
映画化と聞いたときは
観に行きたいなぁと思いました。
「沈黙」は決して明るい話では
無いですが、きっと一見の価値ある
映画だと思います!!
みなさんも興味があれば是非、観に行ってみてください。
多分、気持ちがちょっと沈んでしまうかもしれませんが、、、笑(>_<)
ちなみに、他の遠藤周作の作品で
「王国への道」というのが、
ありますがこれは、同じ時代(1600年ごろ)に
シャム(タイ)で傭兵になり当時の政権の裏で暗躍した
日本人の物語です。
実際、当時のタイに日本人街があった証拠があるようで、
歴史に基づいた話となっているようです。
ペトロ岐部もこの作品に少し出てきます。
たまたま読んだことがある本についての映画だったので、
ちょっと長々と書いてしました。
映画の話かペトロ岐部の話かわからなくなりましたが、
興味をもっていただければ『沈黙‐サイレンス‐』観てみてください(^^♪